培養器内に受精卵を入れてから常時、顕微鏡とカメラで観察しているため、正常受精の確認が培養器外に取り出さずにできるようになり、胚に与える環境変化によるストレスを抑えることができるようになりました。
それに加えて、受精卵の分割から胚盤胞に到達するまでの過程も画像として記録されるため胚に関する情報量が従来よりも多くなり、より移植に適した胚を選抜できる可能性が高くなります。
例えば、異常な細胞分裂を起こしながら発生をして成長した胚や、従来法では正常な受精が確認できていなかったような胚を、凍結・移植の対象から取り除くことができるのです。
これによって、胚移植あたりの妊娠率が向上する可能性があり、また流産率の低下が見込める等のメリットもあります。
また、デメリットとしてはカメラの故障等による一時的に連続的な撮影ができない場合があり、形態評価がうまくできなくなるケースが考えられます。その場合においても培養環境は保たれており、胚における直接的な影響はありません。
24時間対応でのサポート体制が整っておりますが、稀に復旧までに時間がかかる場合は、顕微鏡下で観察する従来の観察方法で胚評価をさせていただきます。
また、突発的な自然災害や停電により電力の供給が遮断され、一時的に培養環境が変化する可能性があります。
当院ではバックアップ電源と常に接続されているため速やかに電力の供給が可能となっており、大きな影響を与えることは少ないと考えられます。
本技術は先進医療となるため、保険での治療費とは別に30,000円の費用が自己負担となります。