不妊症の検査を行った結果、明らかな原因が特になく、年齢的にも余裕があるときは、まずタイミング指導から始めます。経腟超音波で卵胞径、子宮内膜の厚さをモニタリングすることにより、正確なタイミングを見極めることができます。また、血液検査で黄体機能不全の有無も調べることにより、妊娠の可能を高めていきます。
数か月タイミング指導を行うも妊娠に至らなかった場合は、腟内に射精された精子が子宮腔内に侵入できない可能性があり、人工授精にステップアップします。
排卵日にご自宅で専用容器に採精していただき、クリニックに提出していただきます。精液を洗浄、濃縮して良好精子を回収し、細いチューブを用いて子宮腔内に注入します。
人工授精後は感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。通常3~5回行っても妊娠しない場合は体外受精にステップアップすることをお勧めします。
精液を洗浄、濃縮して良好精子を回収し、約2mlに調整した精子浮遊液を、バルーンカテーテルを用いて子宮腔内から卵管内まで注入する方法です。通常の人工授精でなかなか結果が出ない場合、精子の濃度や運動率が低い場合、卵管内が狭いことが疑われる場合に有効とされています。
お二人の気持ちを大切にしながら
まずはご夫婦の気持ちに寄り添い、治療の希望や方針を相談し、治療内容についてご理解とご納得をいただいた上で、治療を進めて参りたいと思います。